2019年10月08日

タニオ・コバ ロングライフデトネーター 小林太三社長インタビュー

弊社製品のコンバットコマンダー 完成時にタニオ・コバさんへご報告とサンプルを持参した
時にロングライフデトネーターの開発や経緯について伺った事を書いてみたいと思います。

タニオ・コバ ロングライフデトネーター 小林太三社長インタビュー

小林太三社長といえば、往年のファンには殊更説明の必要もないと思いますが新しいファンの方に端的に説明するならばモデルガンの礎なる人、との表し方が適当でしょうか。

そんな 今でも走り続けるコバ社長に語って頂きました。


タニオ・コバ  ロングライフデトネーター インタビュー
(語り・小林太三社長)(※はInertia Senseの注釈)

オープンタイプである程度の完成形を生み出したかった!
一般的にはCP方式の方が汎用性もあるし連射性も高い。機能面ではオープン方式より上でしょう。
しかし装填(火薬詰め)が面倒臭い…。
思えばオープンデトネーターを創ったのは私が20代後半の事、(私の創ったブローバックの始まりは)オープンデトネーターで始まって、やはりオープンデトネーターで、しかも完成形の
オープン方式で締めくくりたい。仕事のできる現役のうちに完成させたい、そんな想いがあった。

デトネーターとカートリッジが金属同士だと耐熱性も寸法維持もできる利点はあるけれど
当時の加工技術は現在より低く(デトネーターそのものの)精度を出すのが難しかったし、
火薬が平玉という点でも発火しているうちに汚れでデトネーターとカートリッジのクリアランスが変化して行き動かなくなる。
(※デトネーターとカートリッジとの精度が出ていても汚れの集積がクリアランスを狂わせるという事ですね)
結果的にMGC時代は中途半端になってしまった。

時代が過ぎて工業技術も上がった!
デトネーターとカートリッジの気密を保つためには片方が硬く、もう一方は柔らかいのが良い訳でGM7では具現化できるだけの素材が揃った。
MGCの頃から比べるとエンプラ(エンジニアリングプラスチック)もゴムも進化した。

まずはカートリッジ。GM2当時のプラカートは未完成だった。
ABS素材で耐熱温度が低いし強度も出ない。射出成形技術が低く特に、ウェルドラインが弱くて割れてしまう。
(※ウェルドライン:金型の中で流れる樹脂ともう一方方向から流れてくるの樹脂が合流する地点のこと)

次にデトネーター。ゴムパッキンで気密を保てば良いわけだけれど、まずは使用出来るだけのゴムが見つかった。

要するにロングライフデトネーター は…
カートリッジは成形技術・エンプラの進化で耐熱温度も強度もクリアできた。
デトネーターのゴムパッキンも同じように素材の進化でクリアできた訳だが、
さらに耐熱温度と耐摩耗性の見直しをした。
そこにプラスして形状を変えてテストを繰り返し、できたのがロングライフデトネーター 。
先端形状を角ばらせることで火薬カスの残りや回り込みが減ったこと、カートリッジとの接触面積を増やしたことで耐久性を上げることができた。

ちなみに、発火したカートの内側に着く黒い汚れはプラ素材の燃えた焦げではなくて、ゴムパッキンの燃えた成分が付着したもの。
だから、焦げないゴムができたらカートも汚れない。

一先ず耐久性を上げることはできたけれど、これも決してゴールではない。まぁ、実用域にという意味でひとつのゴールになったかな。

ゆくゆくはこいつで(オープンで)30発フルオートで行きたいね。

(ここまで)

タニオ・コバ ロングライフデトネーター 小林太三社長インタビュー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タニオ・コバ ロングライフデトネーター 小林太三社長インタビュー

実射感は、発火音とグリップしている手へ伝わるものからキャップ火薬の性能をより引き出しているように感じました。
この辺については数値化した正確な計測ではないので「個人の使用感ですが」となる点はご了承ください。

火薬類は密閉された状態で起爆する方がより性能(平たく言うと爆発力)を引き出せる傾向にあります。簡単な見分け方としては、これも平たく言うとですが音程が低くなります。

おそらく、以前の通称ソロバン玉型パッキンより接触面積が増した事に依るのではないかと思います。

それから火薬汚れですが、これは小林社長の仰る通りパッキンを寸胴型にした事により、パッキン側面への付着のし方が減っています(火薬を突くデトネーター先端は当然汚れますが)。

多量に撃ち込んでいないので推測の域から出ませんが、もしかしたら連射性も上がっているかもしれません。

そして最後にタニオ・コバさんからのアナウンスです。ゴムパッキンを長持ちさせるには、こまめな洗浄。キャップ火薬の燃えカスは鉱物質なので結構硬く、それがゴムやカートを削ってしまうからとの事でした。また、ロングライフデトネーター にはブローバックトリートメントの使用をしてほしいとの事でした。



タニオ・コバ ロングライフデトネーター 小林太三社長インタビュー

追伸:おかげさまで弊社コンバットコマンダー SOLD OUTとなりました。お買い上げいただきました皆様誠にありがとうございました。
そして再生産のお問合せも頂戴しております。今のところ未定ですが、決まり次第ブログやオフィシャルサイトにてお知らせさせていただきます。
また現在、次期新製品の準備をしております。こちらも諸々整いましたら発表させていただきますのでもう少々お待ちくださいませ。



同じカテゴリー(その他)の記事画像
[ブルーイング作例] S&W M29 8-3/8インチ
同じカテゴリー(その他)の記事
 [ブルーイング作例] S&W M29 8-3/8インチ (2023-07-19 22:50)

Posted by Inertia Sense at 18:03 │その他